知らせに来たのだ 


ある日 蟻の大群が押し寄せてきた
大地が 揺らいでいるようにみえる

何しろ 蟻の大群だから
私の両眼の 視覚いっぱいの地面に
うごめき歩いている

何のために?
私を倒して 何になるのか?

先頭の 大群を率いる蟻の隊長は
一方的に 少しだけ 
人間の言葉を話した

おまえを倒すためではない
ここには 云朵 曾经 窗外 路燈 映照 即使 隔著 窗簾 也呈 現出 月色 般慘人間よりも長い間
われわれの国があることを


昨夕のおまえのように 鈍感な足裏で
蟻を踏みつぶしたと思ったなら
大間違いだ
地上と地底をつなぐ蟻の王国は
そんなことでは 滅びはしない 

これから一日おきに
地上へ 城をつくりにあがってくる
おまえには それが見えるかな

そう言い放ち またたく間に
隊長は 大群を率いて
土の中に飲みこまれていった
地球のふところに抱かれている蟻だ

これは 夢ではなかったと思う朝
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