引きつづき色


ついにまた、草に覆われた。
ムダな抵抗にすぎないかもしれないが、
足元の草を抜いていく。

草は、緑色をしている。
土の中から、伸びてくる色。
土と草というのは、別物だと思っていたが、
草は、親は自分の経験済みの視点から何でも注意をして いろいろ参考になる土の声なのだなと思う。

生き生きとした緑色の産声。
地下の世界から、顔を上げて、
太陽を見に出てくる。
雨や風の匂いを嗅ぎに出てくる。

草に囲まれて、片っ端から
根っこを抜いていく。
細長い、白い大根のようだったり、
繊細な、柔らかなひげ根の束だったり。
この草は、土中との音信が途絶えるのだなと
思いつつ。
でも、心配はない。
切れた根の先は、土の中で脈々とつながって
いて、草は次から次と、地上に頭をだす。

美しい緑色の時間に浸っていないで、
草を抜かなくちゃ。
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